catch-img

第34回「動き出したIoT推進コンソーシアム」

IoT/ビッグデータ/人工知能時代に対応し、企業・業種の垣根を超えて産学民一体となって活用するために、民間主導の組織として「IoT推進コンソーシアム」が平成27年10月23日に設立されました。


IoT推進コンソーシアムについて

この組織が画期的なのは、総務省、経産省が一緒になって運用開始したことです。通信事業を監督する総務省と企業を支援する経産省は「仲が悪い」ことで有名で、縦割り行政の典型と見られていました。それが一緒に事業をするということは、政府の本気度がわかるということでした。ちなみに本稿で何度か登場した独立行政法人情報処理推進機構(略称IPA)は、経産省の外郭団体で、情報産業向けの支援をしてきました。


この「IoT推進コンソーシアム」活動の一環として「スマートIoT推進フォーラム」が開催され、活動概要が発表されています。この中で注目すべきがIoTテストベッドの整備と活用促進活動です。”つながる”世界では、多くの接続可能な機器との「接続性検証」が必須となります。しかし、一企業がすべての機器を調達してテスト環境を準備することは不可能です。その不安に対して、テストベッドを整備して自由な活用を促し、産業を創設しようという試みです。私たち検証業界でも沖縄に小規模なテストベッドを作りましたが、規模がまったく違います。政府もよく決断したと思います。これにより、安心安全な”つながる”社会の実現の一歩が踏み出せたと思います。


肝心なことは、税金で整備されたこの環境を無駄にしないことです。この環境はIT系企業だけのものではありません。農業によるセンサー活用でのつながる検証や、運送業の物流情報の管理、観光情報の提供といったすべての業種に関係します。このコラムの読者の皆様の中でも大いに関係してくると思います。興味があるかたはご一報頂ければコラボレーション可能かと思います。
関係情報は下記となります。
​​​​​​​



□スマートIoT推進フォーラム ホームページ
URL:https://smartiot-forum.jp/

藤井 洋一
藤井 洋一
■略歴  1985年 金融機関退職後、現在の会社を創業  2005年 一般社団法人IT検証産業協会の設立に関わり、ソフトウェア品質向上の活動を推進。2016年から会長を務め、2023年6月より監事として活動中  2013年 一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(現:ソフトウェア協会)においてソフトウェア製品の品質認証制度(PSQ認証制度)を委員長として制度設計、運用開始  2016年 一般社団法人IT団体連盟の発足に参加、理事及び政策委員として活動。2023年諮問委員会 副委員長として活動中  2018年 「情報銀行」認定制度の制度設計サポート  2019年 工業標準法に基づく試験事業者登録制度(JNLA)等に係る試験事業者技術委員会電磁的記録分野技術分科会委員  ■その他の活動  独立行政法人情報処理推進機構にて「品質説明力強化のガイドライン」作成委員として執筆  ソフトウェア製品の国際規格「ISO/IEC 25051」のJIS化委員