AI活用によるテスト自動化事例
ピー・シー・エー株式会社様

■お客様情報

ピー・シー・エー株式会社(PCA)は、1980年創業、本社を東京都千代田区に置く東京証券取引所プライム上場の基幹業務ソフト専業メーカーです。

会計・給与・人事・販売管理などのクラウド型「PCAクラウド」「PCAサブスク」に加え、バックオフィスや企業間取引のペーパーレス化を支援するクラウドサービス群「PCA Hub」を提供し、中小・中堅企業のデジタル化と業務効率化を支援しています。

ピー・シー・エー株式会社 公式サイト:https://pca.jp/


■事例概要

中小・中堅企業の社内業務や企業間取引のペーパーレス化を推進し、日本社会のデジタル化を実現するための「PCA Hub」は、「PCAクラウド」「PCAサブスク」の関連シリーズと連携し、バックオフィスのデジタル化をサポートしています。

日本ナレッジは生成AI型自動化ツール「TestBench」のカスタマイズ版である「テスト自動化フレームワーク」をPCA様に提供し、「PCA Hub」の全7製品のうち6製品のテスト自動化を実現しました。日本ナレッジの伴走型コンサルティングサービスを通じ、利用者視点でのテスト(E2Eテスト)のテスト自動化を実現するとともに「PCA Hub」の品質向上と開発生産性向上に貢献しました。​
 

■事例インタビュー

●インタビュー参加者

  • 開発本部PCA Hubプロダクト部 中岡耀介様​

  • 開発本部PCA Hubプロダクト部 苅部瑛司様
     

インタビューは20年以上のテスト自動化経験とテスト自動化に関する様々な論文執筆を行っている当社エグゼクティブコンサルタントの加藤大受が実施しました。​

■自動化導入の背景と課題
~繰り返される手動テストの負荷と「PCA ID」の壁~

●まずは、テスト自動化を進めることになったきっかけについて教えてください。

中岡様:

もともとPCAのサブスクリプション製品ではRPAを使った自動化を行っていましたが、今回の「PCA Hub」においては、より効率的で持続可能な自動化の仕組みが必要だと感じていました。

苅部様:

当初は、具体的にどのような形で自動化を進めればよいのかイメージが湧いていない状態でした。しかし、検証工程において「手動で何度も同じ箇所を確認する」という作業が頻繁に発生しており、ここを自動化できれば非常に助かるという思いが強くありました。​

●特に苦労されていた点はどこでしょうか?

中岡様:

大きな課題の一つが「PCA ID連携」です。これはメール認証を含む複雑なフローが必要なため、ここをどう突破するかが鍵でした。

■導入の決め手とテスト自動化フレームワークの特徴
~専門知識不要、「Excelシナリオ」からスクリプトを自動生成~

●日本ナレッジが当社の委託先である日電卓越軟件科技(北京)有限公司(以下、「NEC-AS」と表記)の生成AI型テスト自動化ツール「TestBench」をカスタマイズして提供した「テスト自動化フレームワーク」の印象はいかがでしたか?

苅部様:

最初は”Excelで書いたシナリオテストが自動化スクリプトの変換され、自動で動く”というイメージが全く湧きませんでした。しかし、実際に導入してみると、Excelに記述した内容からコードが自動生成され、ブラウザ上で自動で動くのを目の当たりにして、その効果を実感しました。

中岡様:

このフレームワークの最大のメリットは”誰でも使える”という点です。開発に精通していないメンバーでも、Excelさえ扱えればシナリオ作成に参加できるため、属人化を防ぐことができます。​

●課題であった「PCA ID連携」は解決できましたか?

中岡様:

はい。メールが飛んできて認証するという一連の流れ(PCA ID連携)が自動化できたことは非常に大きいです。これまでは手動で行うしかなく、最も苦労していた部分でした。​

苅部様:

ログイン周りの処理も面倒な作業の一つでしたが、クリック一つでログインから動作確認まで自動で実行してくれるようになり、心理的・時間的な負担が大幅に減りました。

■導入効果と生産性の向上
~1人で3製品を担当可能にする効率化を実現~

●実際に運用を始めて、どのような効果を感じていますか?

苅部様:

現在、私は「給与明細」「取引明細」の2つの製品の検証を実質1人で担当しています。また「労務管理」の自動テストについても担当しております。もし全て手動でやっていたら、1人でこれだけの製品を見るのは不可能だったと思います。​自動化により、クリック1回である程度の動作確認が完了するため、業務負荷が劇的に下がりました。

●テスト結果の確認や修正作業(メンテナンス)についてはいかがですか?

苅部様:

提供していただいたレポート機能が非常に優秀です。テストが失敗した際、詳細なログと共にスクリーンショットが残るため、”どの段階で” ”なぜ止まったのか”が一目で分かります。これにより、原因特定から修正までの時間が短縮され、スムーズに再検証へ移行できています。

■今後の展望と日本ナレッジへの評価
~CI/CD連携による「完全自動化」を目指して~

●すでにGitHub Action連携まで実現できると思いますが、今後の自動化のゴールや方向性について教えてください。

中岡様:

将来的には、GitHub ActionsなどのCI/CDツールと連携させ、開発のパイプラインの中で自動的にテストが実行される環境を構築したいと考えています。​

苅部様:

現在はまだ手動でキックしている部分もありますが、今後は定期実行やコミット時の自動実行を進め、さらなる生産性向上を目指したいです。

●​最後に、日本ナレッジの支援に対する感想をお願いします。

苅部様:

サポートが非常に手厚く、ありがたかったです。Slackで質問すればすぐに回答がきますし、定例ミーティングでのフォローや、要望に対するライブラリの修正もNEC-AS社も含めて迅速に対応いただけました。そのおかげで、スムーズに自動化を定着させることができました。

■自動化のゴールとは

●最後に、開発本部PCA Hubプロダクト開発部部長の輿石浩之様より、​「PCA Hub」のテスト自動化のゴールについてコメントを頂きました。

開発本部PCA Hubプロダクト開発部部長 輿石浩之様:

クラウドサービスである「PCA Hub」ではお客様の利便性を高めるために高い生産性での開発が必要不可欠になります。​テスト自動化も同様でテスト設計・実装からすぐに自動化を実現する生成AI型のツールの方が効率よく、またテストメンバーのテスト自動化にかかる教育期間も短縮できると判断しました。​

日本ナレッジは、API監視機能やGitHub Action連携など、こちらの要望を期待どおりに実現した製品を提供してくれるとともに、現場メンバーとのWG活動を通じて伴走型支援で製品の自動化の実現をサポートしてくれました。​

今後は提供された「テスト自動化フレームワーク」を自社でエンハンスし、お客様視点でのテスト自動化のカバレッジ拡大とともに、当社製品の利用者に満足頂ける製品開発を進めていきたいと考えております。​

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