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第32回「つながる世界のソフトウェア品質ガイド」~IPAも動き出した~

最近のIT分野で良く目にする3文字英語の略語は「IOT」(Internet of Things)です。直訳としては「モノのインターネット」となりますが、意味合いは自動車、家電、携帯電話等々のモノがインターネットに接続してさまざまな情報収集と提供ができる技術やサービスを示しています。まさに電子機器を通じてつながる世界が始まったということです。


IOTに関する例


例えば、自動車で自動運転モードにすると、道路状況のデータを収集して最適なルートを自動的に選択する。旅行の際は、目的地の旅館へ到着時刻を自動配信することも可能となります。昼間は都心のオフィス街に大容量の電気を供給し、夕方は住宅街へ切り替えることで、適切な電気供給も可能となります。無駄な発電設備が不要となり電気料金も節約できるでしょう。人の流れ、車の流れで道路整備も計画的に行えます。いろいろなメリットがありますが、実現に向けて解決すべき課題もたくさんあります。
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ソフトウェア品質のガイドブック


つながるということは、製品・機器同士の互換性が重要となります。同じ基盤のソフトウェア品質が求められます。そこで、独立行政法人情報処理推進機構(以下IPA)が表題の「つながる世界のソフトウェア品質ガイド」を作成しました。

このコラムをご覧いただいている読者の皆様は「ソフトウェア品質は国際規格があるのだからそれに準拠すればいい。」という簡単明快な見識をお持ちですが、業界全体としてはほとんど認知されていないのが実情です。その理由としては、日本のソフトウェア業界が内需向けの開発が中心で、外需(世界)を意識してこなかったことにあります。

しかし、これからは製品や機器に組み込まれたソフトウェアが接続の要となるのですから、遅ればせながら国もようやくガイドブックを作成し、普及活動が始まったということです。このガイドブックのすばらしい点は、ソフトウェア品質の特性を非常にわかりやすく解説していることです。特に利用時の品質に関する解説は、これまで整理された本がありませんでしたからリファレンスマニュアルとしても最適です。

ソフトウェアに関わる開発者はもちろんのこと、ものづくりに関わる経営者の方は是非一読して頂きたいと思います。 ちなみに、私も委員として執筆しております。




IPAのHPからどなたでもダウンロードできます。
発行日:2015年5月29日
参考URL:https://www.ipa.go.jp/sec/publish/20150529.html

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藤井 洋一
藤井 洋一
■略歴  1985年 金融機関退職後、現在の会社を創業  2005年 一般社団法人IT検証産業協会の設立に関わり、ソフトウェア品質向上の活動を推進。2016年から会長を務め、2023年6月より監事として活動中  2013年 一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(現:ソフトウェア協会)においてソフトウェア製品の品質認証制度(PSQ認証制度)を委員長として制度設計、運用開始  2016年 一般社団法人IT団体連盟の発足に参加、理事及び政策委員として活動。2023年諮問委員会 副委員長として活動中  2018年 「情報銀行」認定制度の制度設計サポート  2019年 工業標準法に基づく試験事業者登録制度(JNLA)等に係る試験事業者技術委員会電磁的記録分野技術分科会委員  ■その他の活動  独立行政法人情報処理推進機構にて「品質説明力強化のガイドライン」作成委員として執筆  ソフトウェア製品の国際規格「ISO/IEC 25051」のJIS化委員