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第31回「日本初のソフトウェア試験所として認定」~国際規格認定を取得~

今回は、国際標準規格を推進する立場として3年がかりで取り組み、2015年にソフトウェア試験所として当社が第三者の認定を受けた当時のことについてお話します。


国際標準規格の認定


日本ナレッジ株式会社は、2015年8月18日に公益財団法人日本適合性認定協会(以下、JABといいます)より、試験所の国際標準規格である「JIS Q 17025:2005(ISO/IEC 17025:2005(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項))」の認定を受けました。

当社の札幌事業所ソフトウェア検証センターはソフトウェアのISO/IEC 17025認定試験所としては国内初となりました。認定範囲は「システムソフトウェア」、試験規格は「ISO/IEC 25051 6章 試験文書への要求事項」です。ISO/IEC 25051はPSQ認証制度のベースとなるソフトウェア製品の品質に関する国際規格で、この規格の要求を満たす試験を実施する試験所としての技術力とマネジメントシステムを評価され認定されました。

試験所認定は能力のある試験所の正式な承認であることから、世界の多くの国が、試験所の技術的能力を判断するためにこれを判断基準として用いており、JABの認定した試験所の試験報告書は相互承認に基づき、世界に通用するものです。


※ILAC(国際試験所認定協力機構)は試験所・検査機関を認定する機関の国際的組織で、JABは試験所についてMRA(国際相互承認協定)に調印しています。
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申請した理由とは


当社が試験所認定を申請した理由は、第一に、当社が提供する第三者検証サービスの技術力の高さを証明し、顧客の信頼獲得に資するという点です。今後、益々増加するソフトウェアの適合性評価ニーズに応える上でも重要と考えたからです。第二に、日本の優秀なソフトウェア製品を海外に広めていきたい。そのためにこの認定が必要でした。


改めて整理すると、試験を行う組織を認定する規格が「ISO/IEC 17025」、ソフトウェア製品の品質に関する規格が「ISO/IEC25051」、ソフトウェア試験を行うための規格が「ISO/IEC/IEEE 29119」となります。​​​​​​​


藤井 洋一
藤井 洋一
■略歴  1985年 金融機関退職後、現在の会社を創業  2005年 一般社団法人IT検証産業協会の設立に関わり、ソフトウェア品質向上の活動を推進。2016年から会長を務め、2023年6月より監事として活動中  2013年 一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(現:ソフトウェア協会)においてソフトウェア製品の品質認証制度(PSQ認証制度)を委員長として制度設計、運用開始  2016年 一般社団法人IT団体連盟の発足に参加、理事及び政策委員として活動。2023年諮問委員会 副委員長として活動中  2018年 「情報銀行」認定制度の制度設計サポート  2019年 工業標準法に基づく試験事業者登録制度(JNLA)等に係る試験事業者技術委員会電磁的記録分野技術分科会委員  ■その他の活動  独立行政法人情報処理推進機構にて「品質説明力強化のガイドライン」作成委員として執筆  ソフトウェア製品の国際規格「ISO/IEC 25051」のJIS化委員